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ウィザス本社が不当労働行為を認め、労働組合に謝罪文を手交

2022年11月21日、大阪府労働委員会は、(株)ウィザス(以下、社)に対して、労働組合ウィザスユニオンが申し入れた団体交渉を拒否しているとして、社の不当労働行為を認定しました。不当労働行為は、労働組合法第7条で、企業が労働者や労働組合に対して禁止している行為です。

不当労働行為が認定されるのは、企業としてその社会的意義を問われる重大な事態です。なぜなら、認定されるにはハードルが高いからです。

そもそも、企業が労働者を尊重し、労働組合ときちんと向き合う姿勢があれば、組合からの申入れに応諾して団体交渉が行われます。組合が申し入れた団体交渉に応じないことは、企業として労使の問題を話し合いで解決を図る姿勢がないと言えます。

そこでウィザスユニオン(以下、当労組)は、これを是正すべく大阪府労働委員会に訴えを提起しました。

大阪府労働委員会から当労組に調査開始の案内が来た段階において、申立書をよく確認すれば、社が団体交渉を拒否していることは明確で、大阪府労働委員会から是正命令が出るであろうことは誰が見ても明らかでした。

社はこの段階で、大阪府労働委員会を通じて、当労組に対して和解を申し入れることもできましたが、なぜかそうはせず、大阪府労働委員会に提出する準備書面にてずるずると言い訳を重ね、挙句の果てに「団体交渉の拒否はしていない。」と準備書面にて主張しました。

そして最終的に、大阪府労働委員会での数十回に及ぶ調査において、当労組から指摘された事実を認めず、公益委員会議での判定が行われた結果、不当労働行為を認定され、当労組に文書で謝罪するよう命令されたわけです。

つまり、大阪府労働委員会から「ウィザス本社は労働組合に対する団交拒否を即刻止め、団交に応じよ」「団交拒否は不当労働行為になるので労働組合に文書で謝罪文を手渡せ」と命令が下されたということです。

ここにいたるまでに、社は、なぜ当労組との関係を改善し、問題の解決を図ろうとしなかったのでしょうか。企業としての判断能力においても、2重にも3重にも反省すべき事態です。

この後おいても、社は疑問符がつくような行動を続けています。謝罪文書をどこで手交するのかという約束が成立していないのに、当労組が所属する大阪教育合同労働組合の本部事務所に、社の幹部が一方的に何度も訪問し、謝罪文書を渡そうとしました。また、謝罪文書を勝手に組合本部に郵送してきました。

社は本当にこの事態を理解し真摯に反省しているのか? 社は今回、大阪府労働委員会から団体交渉に応じるよう命令が出され、当労組に謝罪文を渡すように決定されて以降、なぜそれほどまでに急いで謝罪文を渡そうとしたのか?

まず言えることは、もはや不当労働行為を認定されて謝罪文を出さなければならないなら、さっさと終わらせたい、ということでしょう。「文書は渡した、これで終わり。」という意識です。そしてこの大阪府労働委員会の争議を通じて明らかになっている社の問題のある姿勢を、表面化せず、できるだけウィザスの一般社員や外部の第三者には知られることなく終わらせたい、と考えているようにも思います。

また社の幹部が謝罪文を、組合本部を訪れて無理やり渡そうとしたり、勝手に郵送してきたりしたのも、組合とは出来るだけ関わりたくない、団体交渉には応じるが、応じるだけで、何か社の方針を変更するようなことはしたくない、ウィザス職場内の労働環境も改善したくはないという意識の表れだとも思います。

「会社にとって不都合な事実は社員や外部の第三者に知られたくない、出来るだけ触れたくない。」という社の隠蔽体質にも問題があるのではないでしょうか? 社内で労働問題や労使紛争が起こっているのはコンプライアンスの問題にも直結するし、SNS等が発達している現代においては、隠し通せるものではありません。

ともかく、2023年1月24日、ようやく約2年ぶりの団体交渉が行われ、そこで社から謝罪文書が手交されました。

今後、当労組としては、社が団体交渉に応じることや、ウィザス社内の組合員の処遇などの回復を求めて交渉を行っていきます。

私たちウィザスユニオンは、今回の社の対応を見過ごすことはできません。今後も、社が不誠実な対応を繰り返し、当労組との話し合いに応じないと判断すれば、大阪府労働委員会での調査続行に戻ることになるでしょう。

全ては当労組への、今後のウィザス本社の姿勢にかかっています。

次回のブログでは、次回は手交した謝罪文の内容と、その後の団体交渉、社の姿勢の問題点についてお知らせします。

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